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2022.06.07

【メディア掲載:寄稿】信濃毎日新聞:語る@信州:令和モダニズムの幕開け

contribution

株式会社 hide kasuga 1896 の代表取締役である春日秀之が提唱する
新たな生活様式「令和モダニズム」について信濃毎日新聞に寄稿いたしました。

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令和モダニズムの幕開け

春日 秀之

hide kasuga グループは、“価値の創造と再生”を企業理念に、素材を軸にライフスタイル全般に価値を提供しており、日本発の高付加価値産業の創出に向けて、新たな生活様式「令和モダニズム」を提唱している。
 
令和モダニズムとは日本人が基軸となって創出する新旧融合型の新しい生活様式である。
 
戦後の日本は、均一的な生活様式「1億総中流」を目指して、均一的な教育、一括採用、終身雇用による質の高い“サラリーマン”を増産することにより、飛躍的な経済成長を達成した。
1980年代のバブル期を迎えるまでに、世界有数の工業大国になった日本は、こういった均一的なサラリーマンによる均一的な生活様式が背景になり、強い経済が作られたと言っても過言ではない。一方でその反面、強いパーソナリティを持った人材やリーダーが活躍しにくい没個性的社会が形成されてしまった。戦後の勃興期に創業した日本を代表する企業であるソニーやホンダなどは、戦前の教育と貧富の差が大きい中で育った強いパーソナリティを持った人物の活躍により発展を遂げた。しかし、1990年代初期から始まったバブル崩壊を境に、日本経済の凋落が始まり、”失われた30年”といわれる低成長率の時代の背景には戦後の均一的な人材、均一化した生活様式では付加価値の高い創造産業を生み出すことができなかった。

そして2020年代、コロナ渦で全人類の生活様式は激変した。リアルコミュニケーションの機会が激減し、オンラインによるビジネスが定着する反面、人間の感情などの表現方法の識別に支障が生じている。
 
日本では、今まで浸透しなかった時差通勤や在宅勤務が定着し始めて、会社による管理から自己管理が求められ、時間的評価から成果評価に移行し始めている。
私は均一的な人材育成、生活様式からの脱却こそが日本の成長には絶対に必要な条件と確信している。戦前は欧州から政治、経済、文化を学び、戦後は米国の生活様式や文化に多大なる影響を受けた日本ではあるが、このタイミングで日本人が主体性をもち、日本の文化や歴史観にあった独自の生活スタイルや教育のあり方をつくる時にきていると強く思う。
 
令和という新しい時代に入り、コロナ禍を経験して環境との共存を意識した生活と循環型経済の構築が求められるようになっている。
人間も自然の一部であることを再認識して、自然との共存を前提とした生活様式を構築しなくてはならない。日本人が有する独自の感性や美意識は建築や美術の分野にて世界中の人々を魅了し続けてきた。また、ものを大切にする習慣は我々日本人の精神に染み付いており、良いものを長く使いつづけ、捨てるものはなるべく少なくし、モノを循環させる仕組みの土壌を持ち合わせている。
 
これからは日本人の循環型の生活習慣をベースにし、新しい技術やシステムを社会に導入し新旧融合型の循環型社会を構築していきたい。
 
そして、その社会基盤の上に、個人が持つ資質や個性を伸ばす教育環境を確立し、多様性を受け入れ日本人が基軸となった新たな生活様式をつくりあげたい。
 
日本の科学技術立国として培った高度な“技術力”と、歴史と文化が育んだ“感性”が融合した独自の生活様式が「令和モダニズム」である。
 

日本がものづくり大国から創造大国に変わるために、生活様式から変えていかなくてはならない時にきている。

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